乗り物酔いについて考える「バス編」

観光バスでの旅行っていうのは好きです。
ハイウェイを、お酒でホロ酔い加減で、軽く音楽でも聴きながら、流れる景色に身をゆだねウトウトと・・・
こんなシチュエーションが結構好きなので、つまらない会社の社員旅行でも、とりあえずは参加したりします。

そんな私も、子供の頃は激しい乗り物酔いに悩まされていたものでした。
小学校の頃、社会科見学や移動教室など、バスで出かける行事は本当に憂鬱なものでした。
たいがい、車酔いする子は一番前の席に座らされます。その方が前の景色が見えるので酔いにくい・・・ということです。ゲロ袋も設置済みです。
しかし、一番前の席に座ったからといって、車酔いしなかったことなんて一度もありませんでした。

そんなある日、たまたま後ろの方の席に座る機会が訪れました。
その頃は私も結構やんちゃな方向に傾いていたので、悪い子は後ろの方に固まる・・・っていう法則ですね。きっと。
ところがどうでしょう。その時は全く車酔いすることもなく、楽しく快適にバスの旅を続けられたのでした。

まあ、楽しさで気が紛れていた・・・というのもあるのかもしれませんが、ふと気が付きました。
決して一番前の席が、乗り物酔いしにくいわけではありません。
いつ吐いても、すぐ先生の手が届くように、そして他の生徒の迷惑にならないように。そんな理由で、酔う子は一番前の席に押しやられていたに過ぎないのです。

全長の長い観光バスなどでは、実は一番前の席は、発進停止などでは最も揺れ幅が大きく、左右に曲がる時なども、一番大きく振り回される位置にあるので、三半規管にかなり影響しやすい場所なのです。
そう、小学校の法則は、最も酔いやすい子を最も乗り心地の悪い席に乗せていたことになるのです。
コレはとんでもない事実です。


では、最も乗り心地の良い席は何処でしょう?


左右の振り回し幅が一番少ないのは、当然、後ろタイヤの場所です。
しかし、タイヤの真上というのは、ノイズや突き上げがモロに感じやすい場所ですので、後ろタイヤより1個か2個前の席。
それに、日本の道路は左端っこの方が路面が痛んでいることを考えれば、良いのは右側の席。
窓側よりは、揺れも小さいし孤立感の少ない通路側の席。
コレがベストな場所だと考えられます。

やがて中学高校と、クラスに酔いやすい人がいれば、この法則を教えてあげ、事なきを得たものでした。

やがて、こんな私も高校の頃、悪い先輩に連れられ、峠道をガンガン走られたりして以来、滅多なことでは乗り物酔いしない体になりました。三半規管が結構鍛えられたんでしょう・・・きっと。今思えば感謝です。

そして今、私が運転する車に乗って、
「車酔いするたちなのに、今回は全然大丈夫だった♪」
と言ってくれる人が居ます。
私は幼い頃、さんざん車酔いに悩まされていた・・・という事実の賜でしょうか。