殺意の少女

季節柄・・・というわけでもないんですが、こんな事件を思い出しました。
今思い出しても背筋の凍るような体験です。
怖い話が苦手な人はご遠慮下さい。


あれは数年前のある日、私は友人の車を運転していました。車の持ち主であるその友人も助手席に乗っていて、チョットした田舎道をそこそこ快適に飛ばしていました。

見通しの悪いカーブを一つ二つ抜けて、この先直線・・・というところで、その先に、じゃれ合いながら歩いている、赤いランドセルを背負った二人の小学生の女の子が目に入りました。
「危ないなー・・・」
なんて思いつつ、私は右足をアクセルからブレーキペダルへ移す体制に入ってはいたんですが、その時!

その二人のうちの一人が、もう一人の友達の女の子を突然、車道に突き飛ばしたんです。

突き飛ばされた女の子は、もんどり打って、私の運転する車の目の前に飛び出てきました。
私も既に心の準備が出来ていましたが、まさかそう来るとは思ってもいませんでした。
なんとか急ブレーキとハンドル操作によって、間一髪かわすことが出来ました。

隣に乗っていた友人は車の窓を開け、 その子たちを叱りつけました。
子供たちも
「ごめんなさーい♪」
なんて謝っていたので、その場は無事収まったのですが・・・・。

その時はあまりにも信じがたい光景だったので、友人にはついぞ言わず終いだったんですが、私は見たんです。

あの突き飛ばした方の女の子、、、
友達を突き飛ばす寸前に、走ってくるこちらの車の方をチラッと見て、ニヤッと笑ったんです。
その目を見て私は一瞬、背筋が凍ったのを覚えています。
あの時のあの目は、あきらかに殺意を持った目でした。

あわよくば、じゃれてたフリして友達の女の子を殺してしまおう・・・とでも思ったのでしょうか・・・?

あの時のあの少女の目・・・
そして、間一髪よけきった時にフと見せた、あの残念そうな目・・・。

今思い出してもゾッとします。